保坂展人東京都世田谷区長は、青少年・若者に対しての施策は、子ども施策や高齢者施策等に比べると極端に少なく、まちが活性化していくために、若者が力を発揮する環境づくりが不可欠だとし、若者の課題解決に向けた施策を進めています。
 具体的には、若者支援体制に向け、これまでの子ども部を「子ども・若者部」に変更するとともに「若者支援担当課」を新設し組織体制の強化が図られています。
 また、2016年度4月より、満18歳となり児童養護施設(里親を含む)を退所した若者を対象とし、「住宅支援」「居場所支援・地域交流支援」「給付型奨学金事業」の3つを柱に社会的自立を支援する「せたがや若者フェアスタート事業」を始めています。
 特徴的なのは給付型奨学金事業で、一人当たり年36万円になる奨学金の財源は、区の一般会計から5000万円を拠出し「世田谷区児童養護施設退所者等奨学金基金」を創設し、区民や事業者から寄付を募る仕組みが導入されていることです。
 2017年3月末現在で、304人から寄付があり、基金は約2440万円になっています。そして、この奨学金基金を活用し、2016年は11名が大学や専門学校等へ進学することができ、2017年度は10名が交付されるとのことでした。
 福岡市には、児童養護施設や里親等、社会的養護のもとで暮らしている子どもたちが455名います(2016年12/1現在)。子どもたちは、高校卒業後は原則として施設を退所しなければならず、頼れる親や家族がいない子どもは、自立していかなければなりません。
 福岡市も独自の支援として、就職支度金・大学等進学支度金として4万5000円を支給していますが国からの支給額とあわせても32万円余りしかならず、進学をあきらめざるをえない現実が10代の若者に重くのしかかっています。
 福岡市の3児童養護施設はそれぞれ基金を設け、卒園者や関係者に協力を呼び掛けています。国の施策を待つだけではなく、家庭生活を送る高校生と同じスタートラインに立って自立していけるよう市独自の支援の拡充が必要です。