国籍は日本だけど、身体も日本産?

JR吉塚駅に隣接する中小企業センターで、社民党自治体議員福岡県会議政策セミナーを開催しました。
この日は、JA福岡中央会の大塚康市次長から「TPPに関する情勢説明」、九州大学福留名誉教授から「TPPの課題と問題点」について話を伺いました。
大塚次長は、「今の日本の食料自給率を見る限り、国籍は日本だけど、身体は日本産ではなく、アメリカ産やオーストラリア産、中国産とも言える」と話され、小学校教員時の5年生の社会科「日本の農業」の学習を思い出しました。
「日本を代表する天ぷらそばの材料を調べよう」という学習問題で、子どもたちとエビやそば、小麦、大豆等の自給率を調べました。今は、当時より、どの材料の自給率も下がっています。
農業は、私たちの「食」を支えるだけではなく、洪水の防止や生物多様性の保全をはじめ、祭りなどの地域社会の形成に大きく貢献しています。
政府は、2010年に「食料・農業・農村基本計画」を策定し、食料自給率を2020年までに50%に引き上げることを目標にしていましたが、このままTPPに参加すれば、食料自給率は激減し、水資源や環境、文化等、農業の多面的機能の喪失による影響も計り知れなく、雇用の不安定化もこれまで以上に増大することが明らかです。
セミナーを開催したこの日、安倍総理は、ワシントンでオバマ大統領との会談に臨み、「TPP(環太平洋経済連携協定)問題について、聖域なき関税撤廃が前提ではないとの認識に立った」と表明しました。
しかし、同時に、全ての品目を自由化交渉の対象にすることも確認しています。
TPPは国民生活の隅々にまで深刻な影響を与えるだけに、参加した場合のデメリットなど、国民が参加の是非を判断する基本的な情報すら未だ十分に開示されていない状況の中、拙速に判断し参加することは大変危険だと考えます。
農業や環境、そして雇用等を守るためにも反対の声を上げていかなければなりません。
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