地の利を活かす

「地熱発電、住民出資で 熊本県小国町に来月着工」
「小国町の岳の湯・はげの湯地区の住民出資の合同会社『わいた会』が地熱発電に着工する」
という新聞記事が目に留まりました。
涌蓋山山麓の岳の湯・はげの湯地区は、キャンプの帰りや日帰りで何度か訪れたこともあり、どのような地熱発電なのか、休みを利用して涌蓋山山麓に行ってきました。
九州では、熊本県と大分県の県境近くにある九州電力八丁原発電所が有名で、私も何度か見学したことがありますが、国立・国定公園の中で地熱発電を建設することは自然景観や温泉街への影響等もあり、厳しく制限されていました。
しかし、2013年3月環境省は、国立・国定公園内でも景観の維持に重要な区域を除いて、小規模な発電設備の建設を認める、
また公園外から傾斜をつけて掘削する工法をとれば環境保全に影響を及ぼさないことを条件に容認することも発表しました。
この岳の湯・はげの湯地区は、すでに地熱を活用して地元の「小国杉」を乾燥させて出荷する事業が行われています。
これらの実績が今回の住民出資による地熱発電に着工に結び付いたと考えられます。
火山国である日本の地熱資源量は、アメリカ、インドネシアに次いで世界第3と言われています。
これまで自然環境の保護や温泉街への影響も懸念され、地熱発電は国内のエネルギーの2%に過ぎませんでした。山間の住民の取り組みが各地に波及することを期待しています。
福岡市においては、未利用地を利用したメガソーラーや公民館や学校施設に加え区役所や地下鉄駅上等、市有施設の屋根貸しによる太陽光発電の拡大等が進められています。
現在、博多湾上で実証実験が行われている「風レンズ風車」の本格的導入や北九州市が若松区沖に計画している洋上風力発電等の導入検討等、地の利を活かした再生可能エネルギーの推進が期待されます。
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