福岡城跡を歩く

退公連(福岡県退職公務員連盟東区支部)の日帰り研修に参加しました。
行先は、鴻臚館跡と福岡城跡です。
大先輩方の多くは足腰が弱くなったと言われていましたが、なかなか元気、口はいたって元気です。
賑やかな一行は、まずは、懐かしい平和台球場跡の外野席あたりに建っている鴻臚館跡展示館見学です。
国際色豊かな出土品に数々と共に、この古代の迎賓館に相当する鴻臚館の所在地を遣新羅使が詠んだ万葉集の古歌から特定した中山平次郎教授(九州帝国大学医学部)の才覚に驚きました。
次に、古代の厠(トイレ跡)の見学。
1000年以上も前のトイレなのに、自然と鼻をつまんで、その穴を覗く自分を笑ってしまいました。
そして、いよいよ鴻臚館跡展示館の裏手にある福岡城天守台・本丸跡へ。
天守台に行く途中の古井戸には、不釣り合いの器具がセットしてあり、パネルには「地震活動予測システム設置 ~福岡市中央部直下を走る警固断層と地下水位変動の関連を調査するために設置した」と記載されています。
地震活動の予測に城の井戸に着目した研究者に拍手です。
今は使われなくなった井戸が、未来の安全と安心のために活かされています。
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天守台跡から福博の街並みや博多湾の能古島、志賀島を眺めた後は、下之橋御門を見学。
丁寧に整備されている門と櫓ですが、石垣を蔽っている雑草には興ざめです。
福岡市は、「軍師 官兵衛」の放映を契機に、観光のシンボルとして福岡城の復元計画を立てています。
高島市長は、存在が謎となっている天守閣も復元したいとのことらしいですが、天守閣は文献や資料の物証も残っておらず、その存在は不明確です。
私は、市民から親しまれている桜の木々を切り倒して架空の天守閣を建てることには反対です。
新しいものを付け加えるより、竹田市の岡城跡のように、昔の面影を残しながら整備した方がいいと思っています。
そして、なにより整備計画の前に多門櫓や之橋御門の石垣を蔽っている雑草を取り除く方が先です。
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